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そこまで言うと、その学生風の男はソファーに倒れ込みこう言った。

「僕が殺しました」

向かい側のソファーには、黒い縦じまのスーツを着たガタイのいい男が座っている。

髪は短く立てていて、ワックスがテカテカに光っている。企業のオフィスのような部屋は、この男の吸い続ける煙草の煙で目が痛くなるほど曇っている。

「違うだろ?」

スーツの男は煙草を消しながらそう言った。灰皿はすでに吸殻で山盛りになっている。

そして更に煙草に火をつけた。

「お前はさっき、窓の下を見たらバラバラ死体が転がってたって言ったじゃねえか。それで何でお前が殺したことになるんだ?」

「…僕が殺しました」

スーツの男は、火をつけたばかりの煙草をぎゅっと消した。

「お前、寝っころがって夢でも見てたんだろ?何でここを知ったのか知らねえけど、お前は俺たちに何をして欲しいんだ?お前の殺人を隠せっていうのか?高額だぞ」

学生風の男は、部屋の天井を見ながらぼーっとしている。眼は充血していて瞬きはほとんどしていない。しばらくしてほとんど聞こえないような声で言った。

「…神に僕の存在を知って欲しい。祈りを…」

「…じゃあ俺の専門じゃねえな、仲間に瀬田という神やら仏やらに詳しい神主やら坊主だかわからねえ男がいる。そいつを紹介してやるからそこに行け」

「瀬田は今旅行中だよ。それにその子の事件は俺たちが解決出来るよ。」

部屋の奥の事務机に座っている男が言った。白いパーカー、ジーンズで一見少年のように見える。テレビゲームをしているが、眼は全く画面に焦点が合っていない。何処かずっと遠くを見ているようだ。野球ゲームをしているようだが、彼の操作するチームは990で勝っている。

「君、ゲーム好き?」

それを聞くと学生風の男は、部屋の奥に眼をやった。

「…うん」

「マリオカートではどのキャラをとるの?」

「…ドンキー」

「へー、上手いんだね。やる?あるよマリオカート」

「…飽きたよ」

「そうなんだ」

「子供の頃、はやってたから」

「子供の頃からよくゲームしてたの?」

「うん」

「君が殺したんだろ?」

学生風の男の体は小刻みに震えだした。

「…や、やってない。僕はやってない!」




                                    つづく

「僕のイッツアビューティフルサンデー」    作:吉田智道 

第5話

僕のイッツアビューティフルサンデー

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